つりとお魚とデザインと

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ファイルメーカー(FileMaker)での業務

FileMakerとは、なんぞや

先日から、FileMaker(データベースソフト。ファイルメーカーといいます)のワークショップに参加した記事を書いておりました。がファイルメーカーって何に使うの?という疑問もわいてきますよね。
私は広告制作に効率的にミスなく、ムリムダをせずに仕事をするための道具の一つとして、昔から使っていたソフトです。広告制作で実際に使っていた例を元に説明したいと思います。


◯ファイルメーカーの公式サイト


 ちなみに、他の業界で考えられる用途としては、iOS(iPhoneやiPad)で要件を入力して、PDFに書き出して即時発行できる見積システムだったり(他の営業よりも早く見積作成ができたり)、ネット上からの注文フォームを受信してダイレクトに注文書にインポートしたり(手作業で伝票を起こさなくて済んだり)、医療などの窓口業務と管理、分析の一元化ができたり(看護師・医師・ソーシャルワーカー間での情報共有など)といろいろな場面で使えることが、なんとなく想像できるかと思います。


データベースソフトとは言っても、データファイルの外観や操作感は、ほとんどスマホのアプリかウエブページのような体裁デザインで、違和感はそんなにないと思います。
ざっくり言うとフリーのスマホアプリのような感覚と言ってもいいくらいです。



ちょっと回顧録

 昔、大手広告代理店で大規模なチラシ作成のために、ファイルメーカーとレイアウトソフトでシステムを組んで作成していた事がありました。


手書き原稿をチラシに使えるようにテキスト処理したり、内容確認をしたり、店内ポップ用に利用したりといろいろな場面で使っていました。
大手家具屋、ホームセンターのチラシやポップ制作などでも使っていましたね。一人で週50は稼げていた、ほんとは「使えるヤツ」なんです。


クライアントへのサービス向上やお客様の囲い込み、問題解決のためのソリューションの一つとして使ってきた「ファイルメーカー」ですが、今の北海道の広告代理店は、このようなソリューションにお金をかける余裕がなくなりましたね。あるいは、単に忘れ去られたのか、ノウハウが消失したようです。印刷会社ではまだ健在な場合もあります。


以前のお仕事紹介

では、具体的に私が以前、中古車販売の広告制作で自作して使っていた、入力支援アプリを紹介します。使用OSはMac OS 9〜OS 10.4、ウインドウズ98〜XP,7までとちょっと古い話なので、ご了承ください。最新版はもっと便利でかっこいいです。


まずは専用用紙に書かれた手書きの原稿をアプリに入力していきます。
この専用の原稿用紙は、このユーザーさんのために、特別に既存のものから作り直したものです。広告に掲載しない車両管理などの情報は、書き込めないようになっています。

▲業務制作当時の説明です。


このアプリは、人間が入力する項目を減らすことができることを、目的の一つとして開発しました。だいたいですが、一つの車両の入力に、30秒ぐらいで済みます。

▲アプリのメイン入力画面

▲入力支援アプリの当時の説明


車両ごとの個別の情報である、価格や年式、走行距離などは、当然文字を打ち込む必要があります。


しかし、それ以外の共通の部分、万円・万km・H◯年などの数値の単位、車検の有無・色名・句点など繰り返しの多い文字類は入力する必要はありません
プルダウンメニューを選んだり、ラジオボタンを押すと、アプリの方で文字列に付加してくれます。改行も付け加えることができるので折り返しもコントロールできます。


▲アプリの省入力の例。
 キーボードの下矢印やマウス選択で済むように設計。


また、入力欄にカーソルを入れた時、日本語で入力が必要なら自動でカナをオンにし、半角英数でいいならオフにすることもできます。意外にもこの機能のおかげでラクに入力できました。
 このような仕組みは、web上で行うアンケートや、会員登録のページと似たような感じなので、もうおなじみですね。


そして大事な肝となる部分。

ソフトがインストールされていないパソコンでも、入力支援アプリを配布して作業してもらうことができる(FileMaker Advanced版を利用した場合)ので、複数人で一気に片付けることもできますし、ユーザーさんに配布して直接入力してもらうことも可能です。理想はユーザーさんの直接入力がシンプルで力強いビジネスモデルとなります。


入力項目を確認

 入力が済んだら、写真を貼り付けて、確認用画面で内部校正します。
確認用画面では、書体や文字の大きさ、配置をできるだけ広告紙面上と似せて作ることができるので、非常に見やすいし、ユーザーさんが紙面をイメージするのも簡単です。

FileMakerを使った中古車販売の例

▲確認画面の例


 このとき、価格順や原稿番号順、販売会社の社名50音順などに並べ替えも自在です。
内部校正が済んだら、PDFに出力してユーザーさんや担当営業へ渡し、確認してもらいます。あるいは次で説明するように、イラストレーターでレイアウトしたものを見てもらう事になります。


 普通の作業は、イラストレーターでレイアウトしてから、順番を並び替えたり、修正や変更作業が頻繁にあります。時には数時間のうちに、何十回と似たような修正依頼があります。
また、イラストレーターというソフトは、複雑なデザインになればなるほど、画面の再表示や動作が遅くなってしまいます。


 なので、できるだけファイルメーカー上で確認してもらい、OKをもらってからイラストレーターでレイアウトした方が早いし、この方法だとイラストレーターでの作業自体が1回で済むので、締め切りギリギリまで、他社の動向を見てから入れ替えたり、最新の入庫や売れ筋に替えたりができて、販促的にもスケジュール的にもいいことずくめ。
 もっとも、下記のような自動流し込みができただけで、すでに時短なので嫌気がさすことは少ないです。


オプションプラグインでレイアウト

ここからは、Adobeのイラストレーターを使って実際の紙面をレイアウトしていきます。ファイルメーカーから書きだした、テキストデータをプラグインソフト(現在はバーコードROBOや組版ROBOというソフト)を使って自動レイアウトしていきます。


▲自動流し込みの説明。当時はフィルターイット
 という名前のソフトでした


 設定は簡単。希望のデザインを作り、スタイルなどの効果をつけたら、画面で確認しながら設計。流し込み結果のテストをして不都合がないか確認します。
書き出したテキストは番号順に自動流し込みされていきますので、間違えがないようにチェック。


規定の範囲から、はみ出すような文字数が多いものは、長体を掛けて細くしたり、文字間を詰めたり、ポイント数を下げたりする処理が必要ですが、以前のバージョンはこれが面倒でした。しかし、最新版は設定すれば、ほぼ自動的にやってくれるので楽ちん!

▲自動流し込みの実行結果の例
 改行も自動です。


実行ボタンを押せば一瞬で完成!

 レイアウトも、紙面のヨコ方向に10列、縦方向に2行といった指定も自在にできる(流し込んだアイテム間の距離も指定できる)のでマス目状に何個でも一瞬で完成。


 電気屋さんやスーパーのチラシみたいな、マス目がたくさん並ぶレイアウトはもちろん、数十ページの表組みや数百個単位のプライスポップなど、InDesignのチカラを借りなくとも、イラストレーターでできてしまいます。


 私は、古いマシンで作業していましたが、この中古車販売の例だと、新規車両25台前後、既存の車両データが40台前後の規模の原稿を、入力・文字処理・写真処理、それらをレイアウトして内部校正し、レイアウト紙をユーザーさんに渡せるまでに正味2時間ぐらいです。
完成スピードはPCの速度に比例しますが、最近のマシンは総じて速いものが多いので、さらに短くなると思います。

▲当時の利点と障害。問題はバージョンアップだけ。当時も今も
 相変わらずセコイです。


ファイルメーカーで時短を!

大量かつルーチンワークが多い仕事に、ファイルメーカーのアプリを使うことで、簡単に時短とミスの激減、人的省エネが実現できます。


FAXや手書きなど、どうしてもアナログ工程を間にはさむ場合は、プリンターを使ったメールtoスキャン機能を勧めたり、カスタムアプリを直接ユーザーへ提供して、脱FAX・脱手書きを提案してみてください。


熱弁したFileMakerってこんなアプリです

かなり熱く語ったような気がします・・。技術的な記事だな〜と感想をもつ方もいるかと思います。しかし、私みたいなデザイン職人でも使えるソフトなので、ぜひトライしてほしいと思います。使い込んでいくと楽しいソフトって、なかなか出会えませんが、FileMakerは、その数少ないソフトのひとつだと思っています。
まずは、無料体験版からトライしてみてください。自分の作成したアプリがiPhoneで動いた時は感動しますよ!


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